張飛は曹操が逃げるほど戦場で武勇を振るったが酒の失敗が命取りになった

1.劉備を誘って世に出る契機となる
三国志14における武将の能力値
名前 統率 武力 知力 政治 魅力
張飛 86 98 33 22 44
三国志のなかでも屈指の剛勇を誇る張飛は、「劉備」や「関羽」と義兄弟の契りを結び、ともに蜀の国を興したことで知られる。

同じく武勇に秀でながらもどこか落ち着いた関羽とは違い、張飛は短気で荒っぽい性絡をしており、また無類の酒好きで失敗も多かった。しかし、そんな庶民的な人柄に親しみを感じるのか、中国の民衆のあいだでも人気が高いそうだ。

張飛はもともと肉屋を生業としていたが、天下が乱れて黄巾の乱が起きると、義兵の募集に応じて従軍しようと考えた。このとき、立て札の前でひとり嘆息する劉備を見かけると、「大の男が国家のために力も尽くさず、ため息をつくとは何事か」と声をかけ、ともに旗揚げしようと誘ったのである。

劉備は大志を抱きつつ、天下の豪傑と交わることを好む人物であったが、もともと温厚な性格であった。もし、このとき張飛と出会わなかったら、劉備が表舞台に現れるのはもっと遅くなっていたのかもしれない。


2.たったひとりで大軍を退ける
元来気が短い性格だった張飛は、を飲むと自制がきかなくなる悪癖があり、「呂布」が徐州を乗っ取るきっかけをつくってしまうなど、失敗も多かった。

しかし、武勇にかけてはやはり一流で、のちには計略も使うようになっていく。 とくに「曹操」率いる大軍の前にたった一騎で立ち塞がり、一時的にせよ撤退させた「長坂の戦い」でのエピソードは有名だろう。

10万にものぼる民衆を引き連れて逃亡する劉備は、やがて曹操の大軍に捕捉されてしまった。曹操の追っ手を防ごうと張飛は単身で長坂橋の上に陣取ると、数少ない部下の馬に樹木の枝をつけさせ、林の中で土煙を上げさせたのだった。

曹操軍が橋に到達すると、単身で橋の上にいる張飛と奥の林にあがる土煙を見て、計略があるのではと疑って進軍を止める。やがて曹操も到着したが、かつて関羽から「張飛は袋の中から物を取り出すかのように、百万の大軍の中から大将の首をとってくる」と聞いていたため、慎重になって手を出さなかった。張飛の剛勇には、あの関羽ですらも一目置いていたのである。

曹操がきたことを悟った張飛は、虎髭を逆立てた凄まじい形相で、「命がけで勝負しようという昔はおらぬか!」と雷鳴のような声で呼ばわった。

すると、あまりの気迫に恐れをなした大将のひとりが肝を概して落馬し、曹操も思わず馬首をかえして逃げ出すと、兵士たちも一斉に逃げ出してしまったのである。

このように張飛は数々の戦場で武勇を振るったが、酒を飲んでの悪癖は直らず、最期は酒に酔ったところを味方の兵士にとらえられ、斬られてしまった。


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